高校の 思い出話 盛り上がり

「えっ あたしを前からご存だったの? だったら最初にいってくれたら・・
 じゃー部屋の方にいらっしゃい 暖かいお飲み物を用意しますわ」
「はい 嬉しいです」

{やったー!焦らしと同情を買う作戦が成功だったかな}

拓哉は、柚木の部屋の前で深呼吸してから玄関のチャイムを押した。

ピンポーン

ドアミラーの外には、一段と長身に見える好青年が立っていた。

「はーい ちょっと待ってね」

柚木は急いで、寝室のベッドの乱れまで直していた。
{あら 馬鹿ねー私って! 何を考えているのかしら?}

「おまたせー ささ中へどうぞー そうあなた高校の後輩なのね」


「はい 柚木さんの2学年下の後輩です」

「うん 寒かったでしょー まずは熱いコーヒーどうぞー」

「はい 頂戴致します 柚木さん あっ 僕はタクヤと言います
 木街(こまち)拓哉です 昔はよくビッグタクとからかわれたものです」

{あー 思い出した 一年生で一番背が高かったあのタクヤくんね!
   3年生の女子の間でもよく話題になっていたわー
     へーあのタクヤくんかー」

「はい 身長だけは一番でしたから」

「ご謙遜ね 成績もいつも上位三位以内に入っていたじゃない!」

「お恥ずかしい話です 卒業まで万年二、三位で
 一度もトップ取れませんでした」

「またまた 嫌味ね 二、三位でも素晴らしいじゃないの!
  野球部でも一年生でレギュラーになり甲子園まで行ったのでしょう」

「あーあれはまぐれですね 先輩が体調を崩したもので」

「アハハ!またご謙遜をー
 でも楽しかったわねー あの頃は怖いものなしでーーー」


「はい 懐かしいです」

「その後 大学はどちらへ? 確か医学部志望だったとか・・・きっと・・・・」

「それが・・・・・」
拓哉は、急に突然苦虫を噛み潰したように表情を曇らせた。

「ごめんなさい その服では寒いでしょ わたしのジャージで良かったら
 着替えたらいいわ 休んでいる間に浴室乾燥にかけるから ささ」

「はい  あっ   いえ そこまで甘える訳には行きません
  直ぐに失礼しますから」


「ここまできて 遠慮は無用よ タクヤくん」

「はい いえ はい す すみません ではお借りします」


「うふふ 良く似合うわピンクのそのジャージ」


「はあー 大学なんですが 実は父親の会社がーーーーー
  ----になり 止む無く中退したんです」

「そうだったの で今はどんな・・・・あっごめんなさい」


「いえ あのー すみませんがトイレお借りしても?」

「勿論よ そこの突き当りの右ね」

「はい では失礼します」

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