ももこの真理探求8 地球人類の絶滅

同時に200万の白人至上主義同盟軍(Allied forces white supremacy)が
全世界に配備された中国の核施設と、中国本土の核基地を一斉に襲撃した。
これは明らかに国際法違反である。
しかし白人社会も、それをせざるを得ない脅威に直面していたのだった。


極秘の計画は、漏洩を恐れて専用軍事衛星回線で指令された。

中国の進化したAIインターネット分析は、軍事衛星回線の不穏な兆候を
捕らえて、そのx デーを予見し、その対応策を準備していた。

そして、中国軍総司令部は本土襲撃を知るや、即座に警告として数発の
水爆を搭載したミサイルを5大洋を目がけ発射した。

それを先制攻撃と勘違いした、白人至上主義同盟軍はミサイル迎撃すると
同時に中国軍の軍事施設に向け一斉に小型核爆弾1万発を発射した。

当然日本の中国軍核施設も標的になっている。
成層圏を音速の20倍で飛来する小型核爆弾搭載ミサイルは20分後には
各地の軍事施設に着弾した。

3万の武装工作部隊と周辺住民4万人は捨て石にされたのだった。

中国中央指令部は、ここで報復攻撃に出た場合全面核戦争になり人類滅亡
は必至であることを予見済みだった。
これだけはなんとしても避けなければならない。
中国共産党総書記は陳永観は断腸の思いで報復攻撃の中止を命じた。
それでも辺境の一部では、中央指令部の意向に反して局地戦を展開してい
たが圧倒的多数の白人至上主義同盟軍(Allied forces white supremacy)
の前に健闘もむなしくすぐに鎮圧された。
中国中央指令部は、中国、アジアの主権維持を条件に全面降伏した。

国際法を無視しして、先制攻撃を決行した白人至上主義同盟軍の全面的
大勝利だった。
さらに、これに乗じて白人どうし結束して地球統治社会の構築しようと勢い
付いた矢先、誰もが想定をしない大きな試練が待ちうけていたのである。

キリスト系白人の球統治社会に、いつまでもテロを通じて反抗していた一部
のイスラム系過激派が鎮圧される直前に、保有していた1発の旧式ICBM
大陸間弾道ミサイルを発射していた。

ICBMは彼ら敵国の中心であるアメリカのワシントンDCを標的にしている。
しかしあまりにも旧式の固体式ミサイルだったため、燃焼が不完全となり偶然
にも青森県の核再処理施設に落下して爆発したのだ。

世界一巨大になったその核再処理施設には、当然に未確認飛来物を迎撃する
地対空ミサイルが大量に配備されている。
しかし、これまでに白人至上主義同盟軍の多数のミサイルを迎撃したことで全て
の迎撃ミサイルを使い切ってしまい施設はまさに裸の状態だった。
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日本経済は東北大震災以来、無策で失脚した民主党に変わった自民党政権によるインフレ誘導策
が功を奏し、2017年9月まではなんとか回復するかに見えた。
しかし11月には欧州危機が深刻化し、その余波を受け社会不安が広がりインフレ率は5%を超
えたが、その暴走は数年以上も続きどんな引き締め策を打っても止まる兆しさえ現れなかった。
4年後自民党は求心力を失い分裂し、新たに政界再編で生まれた民主自由党が圧倒的支持を
受け衆参両院の同時選挙で過半数を得た。

その総裁は若手で大物政治家の長男はカリスマ的魅力をもった大池橋新次郎だった。
石橋新次郎は総理に指名されるやいなや、日本復興の中心政策として世界中の核廃
棄物の再処理を一手に引き受けるという大胆な政策を打ち出した。

核再処理施設は青森県の既存の施設を500倍に拡大し世界中の使用済み核燃料と
廃棄物を集め再処理して再生核燃料として輸出する。
その利益の数十兆円で国の債務返済する案で、核廃棄物再処理法案を極秘の内に
作成し野党にも根回しして瞬く間に国会を通し成立させた。その法案は民意に関係なく
すぐに施行された。

そして10年、青森県の核再処理施設は60メートルの高さで幅10メートルの要塞なみ
の防潮堤で囲まれた、施設面積2500万平方メートル、一辺が実に約5キロメートルと
世界一の巨大な核再処理施設が完成していた。
さらに40年、そこには、いまや世界中から6000万トンにも及ぶ膨大な量の使用済み
核燃料と核廃棄物が集積され野積みていた。
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1発の旧式ICBMは、こともあろうにその中心部に着弾したのだった。
それでも着弾した直後は何事も起きていないかのように見えた。

それよりも数千発の小型核爆弾により、中国の秘密軍事基地を中心に数万
人が死傷し、それらの生存者を救護することが最優先とされた。
10日後、国際救護団の活躍でなんとか生存者の救済も一段落した。

しかし一段落したのは表面上のことであり、それは突然顕在化した。
青森県の核再処理施設上空でプルトニューム、セシュームとガンマ線量が急
激に上昇しているのを探査衛星がとらえた。
それは
小型核爆弾の衝撃で核廃棄物の容器が破壊され、そこから流れ出た高濃度
核廃棄物が低地に集まり凝縮されて5日後は再臨界に達したのだった。
その中心部はすでに摂氏6000度、鉄はもちろん岩盤も溶かす温度に達して
おり、周りの核廃棄物の容器を溶かしては合体を繰り返して加速度的にその
濃度を高めていった。

このまま行けばその中心部に6000万トンの核廃棄物の大半が呑み込まれ遂
にはその巨大化した核物質の中心は数万度となり自己崩壊(核爆発)を起こす。
計算上では直径3キロメートルの小惑星が激突したのと同じ莫大エネルギーが
一瞬に開放される。それもわずかあと5日後に迫っていた。
今の人類には、この暴走を止められる科学力は備わっていない。

この事実を知った白人至上主義同盟軍(Allied forces white supremacy)上層
部と白人同盟政府首脳たちは、最高機密として極秘理に家族を含めた1万人を
人選し、数年分の水と食料を確保して地下深くに研究用地下都市に避難した。

5日後、青森県上空に月からでも見えるほどの大閃光が走り、まもなく漆黒の空
にオレンジ色のキノコ雲が上がり、その降下物は日本を覆い、27時間後には北
半球全土に降り積もった。
人類史上最後の核爆発は、長崎に投下された原爆の100万個にも匹敵する
想像を絶する巨大核爆発となり直径9キロメートルもあるクレータができた。

さらにその衝撃により地下のマグマ溜まりが上昇し、地下水に触れて圧力が急
上昇し水蒸気大爆発を起こした。
それは
今回の核爆発によりも数万倍にもなる火山性水蒸気大爆発で、半年の間でも
数十回も繰り返し起こった。
この火山性爆発で放射性物質の大半が大気中に拡散し、成層圏まで達した放射
性物質、俗に言う死の灰は半年で地球全土に降り積もり大地を覆い尽くした。
核と火山爆発による寒冷期は3年以上も続き、放射能に汚染された地球上の98
%の生命を絶滅に追いやった。

地下深くに避難した政府関係者数万人も地上からの放射線に晒され免疫力を落
としたところに、未知のウイルス性肺炎が蔓延しほどなく全滅した。
月に移住していた500人は地球からの補給が途絶えても、数ヶ月間は自給自足
で命を長らえたが、食料の奪い合いで分裂し全員餓死という悲惨な最後となった。

皮肉にもそれは、人間の過剰な欲望、エゴ、未知への恐怖、欺瞞、の帰着点で起
きた人類への最後の審判であった。

10年後、核と火山爆発による冬は終り、地上には可憐な草花が咲き誇り大草原
を埋め尽くし、まさに地上の楽園となっていたが、そこには人類の影は無かった。
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