ももこの真理探求19 究極の悟りと宇宙

しかしそれは、言葉で表せない閃きのような深く、快い感覚であった。
そして地球に帰還してようやくその啓二である究極の悟を得たのである。
そう その悟りとは
人間の心の在りようが、万物の事象を決める答えだとする啓示だった。
勿論、万物の事象とは我々の宇宙創生までを含んでいると解釈できる。


つまり 究極の悟り(真理の理解)とは、脚下照顧とも言える
これは道元禅師が禅の極みとして、修行僧を諭した有名な金言で自分の
足元に人間の本性があることを諭している。
この脚下照顧の真髄は我々の宇宙全体、全生命にまで適用できる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
1185年頃 鎌倉時代初期の禅僧 道元禅師は修行僧に
脚下照顧(きゃっかしょうこ )と諭した。
他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。
「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。
「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。
出典:三省堂提供「新明解四字熟語辞典」
人間社会ではこの解釈で問題無いが、道元の啓示はもっと深遠なるところにある。
脚下とは足下=己の心の在りようで
照顧とは己の本性を見詰めよ そこに悟りの解があると説いているのだ。
つまり人間の個々の心の在りようが、万物創生の謎を解く唯一鍵となるのである。
事実シャッダイと名乗る異星人がそれに気が付くまでには数万年を要している。
それに比べても、人類は文明を発展させ始めてから たかだか1万年に満たない。
遺伝子レベルでは猿と大差ない人類がその難題は解けないのも無理ではない。
それでも宇宙創生の謎にあと一歩まで迫った人類は奇跡的な生物であると言える。
・・・・・・・・・・・・・・・・

人間で解釈すると
脚下=足元=人間の本性=心の在りよう
照顧=人間の真相をよくみつめ万物の真理を悟る
つまり全ての疑問の答えは 人類の本性に内存している
となるし 我々の宇宙全体で解釈すると
脚下=物理現象=宇宙の構造
照顧=宇宙の論理を突き詰め正しく真の宇宙物理を理解する
つまり宇宙が創生された理由は 宇宙の物理法則に内存しているとなる。
そして個人の悟りと、人類誕生の訳と宇宙物理の真の理解は同じものとなる。

これが究極の悟りであり それは、全ての事象と個人の境目、勿論 生も死も
在るも無いも境目がないことを心(真の宇宙物理)で理解する。
つまり全ての事象には境目が無く、無い事が在る事と同じと言える。

こうなるとまさに禅問答であるが
具体的にその事を繰り返し説いたのが般若心経の色即是空である。
色即是空とは 現代物理学の最先端の量子力学でいうエネルギーと物資の
一形態である波動は、なにもない真空の中でも空間のゆらぎにより生じるし
消滅もする、ゆえに空=無は物質であり物質は空でもあるという解釈である。

つまりエネルギーや物質は無の真空ゆのらぎから ほぼ無限に生み出せる。
現に我々の宇宙は真空ゆのらぎの一点から爆発的に誕生した。
ビッグバン2
20世紀後半ようやく人類は、科学により色即是空を理解し始めた。

このような現代物理学の見解(常識)は 般若心経の理解としても ほぼ正しい。
しかし
なぜ万物の事象は色即是空、空即是色なのか?
この答えは哲学、宗教、科学でも諸説あるが 未だに正答が示されてない。
そもそも宇宙の真理は、 現代の言語や定理、数式などで表現することは
2次元の絵画で立体画を描くのと同じことであり、立体を2次元の中で完全
に表現するのは不可能なのだ。

でもその答のヒントこそが脚下照顧であり、このヒントは2400年前に釈迦
が菩提樹の下で悟っていた。


勿論釈迦は実際にそう言ったのではなく、悟りで会得した内容を弟子たちに自身
の日常の行動を通して少しずつ学ばせていった。

弟子たちは釈迦の入滅後、それらの教えを体系化し仏教にまとめ上げ
西暦210年頃に 中国の玄奘がインドに留学して、サンスクリットの膨大な経典
を持ち帰り、釈迦の悟りの真髄としてを漢字化したのが般若心経である。

しかし般若心経を文字通り解釈しても言語明瞭、意味不明で まるで呪文のよう
なものであるため、西暦2020年なっても人類は、頭ではなんとなく理解できても
悟の真髄(真の宇宙物理)までは会得できてない。

余談ですが。
ももこ(私たち)の宇宙でも、あと330年くらい後の西暦2350年まで理解されな
いのですが、 なぜ現代のももこが 今それを断言できるのか?
その答えは ももこが時空を自在に行き来したからなのです。(うそ!)
ももこの宇宙で、西暦2350年に理解されるとすれば今それが解るのは未来の
確定となり矛盾しますね。でも大丈夫矛盾は無ないいのです!
前述の悟り(真理の理解)はあくまで ももこの宇宙でのことで今後生まれる別の
平行宇宙では別の展開になるだけなのです。

本題に戻りましょう。
人類誕生の謎は この宇宙になぜ人類が存在する必要があるのかと同じで究極
はなぜ 我々の宇宙は創生されたのかとの疑問に辿り着く。
その疑問の答えこそ 悟りの真髄なのだが、多くの情報に塗れた現代人には至難
の技なのである。

では無垢の子供ならどうだろう?
ドイツの作家ミヒャエル・エンデは1973年刊の『モモ』(Momo)で時間泥棒から
人類を守る救世主としてモモに生命の花 (悟りの一形態)を見せている。
ストーリーには、忙しさの中で生きることの意味を忘れてしまった人々に対する
警鐘として、時間(宇宙の)真髄を幼いモモに体験させる。
エンデが描く時間の正体は、モモの心の中に存在し同時に全宇宙と一体となり
大きく共鳴している。


それは大人の言語で表現するするよりも 無垢のこどもが直感する体験の
ほうが正確に感受するからかもしれない。
残念ながらこどもは、大人の言語でそれを表現できないし それ以前に大人
になると 無垢の直感力は退化し具体化された物しか見えなくなってしまう。
つまり悟りの真髄は
我欲という 煩悩に塗れた頭でいくら考えても答えは見い出せないのだ。

ミヒャエル・エンデは
禅や人智学の実践により真の悟りに近い感覚を得していた。
関連した著書では『はてしない物語』映画のネバーエンディング・ストーリーで
人間の本性や欲望(煩悩)をはてしない物語として表現している。
エンデの目的は自身の悟りを大衆へ分かり易く咀嚼して伝えたかったのだろう。


あの時代の科学では、 時間と空間とエネルギーは一体で直結している事
などの概念(現代の通説)は全く理解されていなかった。
やむなくエンデは子供向け童話で表現せさるを得なかったのである。

あれから1世紀、 現代の ももこがあえて最新の量子力学で究極の悟りと
宇宙の方程式の解だけを表現しようと試みた。
  お気に召したらポッチとね! 2374683e.jpg    web拍手 by FC2

ももこの真理探求18 西暦2350年

その結果 原子核内の素粒子の波動と素数の並びを示す関数が完全に符合
する事実が確認されたが、なんとそれは遺伝子のDNA配列の関数が一致する
という奇妙な謎に直面したのだった。


遺伝子の無秩序なDNA塩基配列を示す関数が、原子核内の素粒子の波動
関数と一致するという事実は偶然では説明できない。
明らかに何かの意図で宇宙の開闢の前に仕組まれる必要があった。

解りやすい例として
生命が進化する過程での巻貝の多様性がある。
巻貝などの螺旋構造は、始めは小さく巻数を増やしながら大きくなるが
任意の直径Aにおける形状は変化しないとう特徴がある。
オウムガイも対数螺旋 efb09160.jpg
   
1234年 レオナルド・フィボナッチはその形状を関数で示した。

1520年頃 天才とも宇宙人とも称されるレオナルド・ダ・ ビンチは宇宙
の神秘を解する三重の鍵を紡ぎだし、
美の黄金比率を散りばめたモナ・リザにメッセージを込めて世に送りだした。
モナ・リザ
(余談ですが もなみの もなはモナ・リザのモナではなく
 モナミ= 【(フランス)mon ami(男性)/mon amie(女性)】
    人類を愛する人間に通じているんです)

巻貝などの螺旋と渦巻き銀河宇宙の構造も、変化(拡大、縮小)と普遍と言う
矛盾した事象を単純な法則と黄金比率により調和している。

また宇宙の神秘には素数の3が常に絡んでいる。
その証拠として、模擬宇宙の開闢から現在宇宙まで何度演算してもビッグバン
から3世代目の超新星爆発の後に生まれる恒星の第3惑星に生命が誕生する
がそれも3代目恒星誕生から30億で生物と言える
二重らせん構造のDNA double-stranded が自己複製RNA機能を満たし爆発
的に大量発生する。
そのように
宇宙は黄金比率、2次元形状関数、3次元波動関数、スーパーストリング理論
まで同じ原理で構成される。
勿論 細菌も人間もETI地球外知的生命体でさえその例外ではない。
つまり人類の誕生は宇宙の進化の当然の結果であり
やがては宇宙を解明し宇宙そのものを支配する能力を存在となのである。

その全進化過程を新型高性能計算機で演算予測すると
宇宙進化過程

最初は物質(質量を持たない粒子=光子など)と真空のエネルギーが
出現しては入れ替わる いわゆる無の状態が無限に繰り返される。

ところがそこに 明確な意思を介在させる事により物質の方を極僅かに
有利すれば真空のエネルギーが相転移し宇宙の卵が突然出現する。
それが今から
0.0000000000・・・・001秒(10のマイナス333乗秒)前の宇宙である。

そして
0.00000000・・・001秒(10のマイナス33乗秒)後にヒッグス場が生じ
まもなく
0.000000・・・001秒(10のマイナス48乗秒)後に最初の物質が生まれ
と同時に時空は光速の数倍の速さで膨張するインフレーション宇宙となる

3分(183秒)後に水素原子が生成され
300万年(3X10の6乗年)後に最初の星ファーストスターが誕生し

3億年(3X10の8乗年)後に最初の銀河ができる
銀河の渦巻の腕の中では無数の巨大質量太陽が生まれては燃え尽き
超新星爆発を起こし地球や生物をつくる重い元素が生成される

超新星爆発でばら撒かれた星の残骸は
108億年(1.08X10の10乗年)後に重力によりが集まり始め やがて我々の
太陽となる。
その後10億年で最初の?生命が合成され すぐにバクテリアに進化し
156億年(1.56X10の10乗年)後には人類が猛烈に繁栄し たった数千万年
で時空を支配するほど進化してしまう。
この進化速度は単位こそ違うが 宇宙のインフレーションと相似形をとる。

この後 人類が絶滅したとしてその後の宇宙を演算すれば
333億年(3.33X10の10乗年)後に太陽が燃え尽き白色矮星になる。

333・・・3億年(3.33X10の33乗年)後には最後のブラックホールが蒸発し

333・・・・・3億年(3.33X10の333乗年)後に全原子核が崩壊し

333・・・・・・3億年(3.33X10の3333乗年)後に最後の素粒子である
ニュートリノも崩壊し、ダークエネルギーに集約され無(真の真空)の状態となる。

ところが、そのまま演算を進めると
3X10の33333乗年後にダークエネルギーの時空座標が突然反転し
ダークエネルギー(真空)の相転移が始まる。
ここには何の意思も介在しないが 新型高性能計算機で演算予測して
結果を出すという計算機の機能が作用している。

こうして無垢の宇宙が有機的に始まってしまうのである。
このように無垢の宇宙は3X10の3万乗年といyとてつもなく長い周期で
永遠に継続して行くことを新型高性能計算機は示していた。

これらはまさしく3次元空間におけるの陰陽太極図そのものではないか。
            陰と陽の太極図
つまり高次元から観れば何も変化しない陰陽太極図の様な超宇宙駒が
実体在る物(物質)と、実体の無いもの(ダークエネルギー)が座標を入れ
替えながら、永遠に回転しているだけの絵にしか見えないはずである。

そこに神の意図は必要なく超宇宙駒が最初から在り、その超宇宙駒が
永遠に回転しているだけという宇宙観に帰結する。
だとすると その超宇宙駒はどの様にして出来たのだろう?
高性能計算機でもその答えは出せず、その謎は更に深まったのだった。

クルーが帰還すると、その15年前にシャッダイからの贈り物(情報)を受けとり
組上げた高性能計算機により、超宇宙駒理論が定着していた。


これにより高エネルギー実験装置不要となり全ての素粒子、力の統一論と
宇宙の進化と終焉まで詳細に解明されていた。唯一の謎を残して。

西暦2350年
探査衛星がチームが15年後に地球に帰還した。
もなみの全能理論に基盤に、シャッダイの高性能計算機により、宇宙物理学、
再生医療、遺伝子操作、代替臓器、サイボーグ化、環境制御、などあらゆる面
が加速度的に進展していた。

ところが、我々の超宇宙はなぜ どの様にして出来たのか?
なぜ人類が誕生したのか?人類は何処へ向かうのか?
これらの謎がどうしてれも解けないでいた。
これ幸いに奇妙な新興宗教も氾濫していた。

帰還したクルー達は、地球人類のレベルの低さに驚きつつ落胆した。

一方で帰還したクルー達は、異星人シャッダイと身近に交信している間に
有る教えをのような何かを体感した。
しかしそれは、言葉で表せない閃きのような深く、快い感覚であった。
そして地球に帰還してようやくその啓二である究極の悟を得たのである。

そう その悟りとは
人間の心の在りようが、万物の事象を決める答えだとする啓示だった。
勿論、万物の事象とは我々の宇宙創生までを含んでいると解釈できる。
  お気に召したらポッチとね! 2374683e.jpg    web拍手 by FC2

ももこの真理探求17 全能者との交信

友好的挨拶が成立し、2度目の交信によりETIの自己紹介を受信していた。
ETIは当時の人類よりも遥かに進んだ科学文明を構築しており、人類の探査衛星
の近くに自分たちの通信衛星をランデブーさせてきていた。


地球探査クルーは、ETIがランデブーさせた旧式の探査衛星を見て失笑した。
しかしそれは、彼らの気遣いで有った事が自己紹介を見て認識させられた。

ETIは自分らの事を全能者という言葉をヘブライ語で訳しshadday,シャッダイ
と呼んだ。
50万年の文明をもつ彼らは、すでに自分らの遺伝子自由に操り自由に形態を
変えたり人類が支配出来ないでいた心の活動まで自在にコントロールしていた。

彼らはコンピュータは使用しない、替わりに膨大な情報を記憶する重水素原子
メモリーとピコ秒で数億の演算できるCPUを体内に埋め込んでいた。
さらに3重水素原子の核融合を特殊酵素で緩やかに反応させ代謝エネルギー
として利用していた。
つまり彼らは食事なしで数千年以上も生きられ形態も心も自在にコントロール
できる まさにシャッダイに相応しいレベルまで進化していた。

当然に数万年前から宇宙を自由に飛び回り宇宙文明地図を創り上げていて、
人類が原始猿から進化していく様を時より訪れては観察していた。
彼らと比べると人類は、人とねずみほどの開きが有ることを思い知らされた。
それでも
通信担当クルーは冬眠と覚醒を繰り返し交信しながら、例の素数の並びと宇宙
の創生には関係があるのか質問してみた。

自分らをshadday,シャッダイと呼ぶETIは、その疑問自体が答えだと意味不明
な回答を寄こした。
またあと一歩でその意味が完全に解釈できるので、どうか貴方たち人類の力だけ
で解明した喜びを堪能して欲しいとも伝えた。

更に我々シャッダイと人類は同じ母(巨大超新星)をもつ兄弟なのだと伝えた。
uchiyama_img02.jpg uchiyama_img03.jpg
最後の通信で数億テラバイトの情報を記憶する重水素原子メモリーと1ピコ秒
で数億回の演算ができるCPUの構造を開示してくれた。
この計算機を駆使すれば、模擬宇宙の開闢から終焉まで数時間で演算できる。
そして素数の並びと宇宙の創生が関係あるのかどうかの疑問は、数秒の演算
で求まるだろうと思われた。

通信担当クルーが思わず後ろ振り向くとそこには懐かしい もなみの姿があった。
いや 通信担当クルーは、あの人類の救世主 もなみの気配を感じたのである。
若くして全能理論を完成させ人類の危機を回避させた もなみの偉業は、人類の
救世主として、低学年の教科書にも写真入りで紹介されていた。
そして子供たちは もなみに憧れその後の人生にも影響していた。

実際には、 ももこの心が時空を超えて、そこに現実にいたからであったが もなみ
は、 ももこの分身同様であるためクルーは もなみの気配を感じたのだ。

クルーは、自分達に任された判断で任務を終えたとして帰還する事決めた。

太陽系から150光年先にある地球型惑星に行き、高度知的生命体と情報
を交換する計画が立案され旅立った日から地球時間150年経過していた。

しかし恒星間飛行用の光子ロケットエンジンを搭載し光速の98%の速度で
飛行する探査衛星内の時間の流れは、緩やかとなり僅か5年しか経過して
いない。
光子ロケットエンジン

探査衛星が5年後に地球に帰還したとしても更に150年経過している。
つまりクルーにとっては往復10年でも地球時間では300年になる。

西暦2350年
この計画に参加したクルーの関係者と家族の全員が、再生医療と遺伝子
操作の恩恵により300年後も変わらぬ姿で迎えてくれた。

とは言えこの措置は高額であるため、人類の10%しかこの恩恵にを受け
られていなかった。
もし同窓会を開催したなら10人中9人は先立った事実を知るだろう。

そのころの地球人類は30億人、周辺の衛星や惑星のコロニーに住む住人
が1億人を突破していた。
政治、経済の中核は人類連合体として米国西海岸に本拠地を定めていた。

クルーが帰還する15年前に計画の関係者と技術開発チームはシャッダイ
と称するETIからの贈り物(情報)を受けとり
数億テラバイトの情報を記憶する重水素原子メモリー素子と、1ピコ秒で
数億回の演算ができるCPUの試作品を完成させていた。
(1ピコ秒=0.000000000001秒)

そのCPUを多用した計算機を使って
模擬宇宙の開闢から現在までを演算することで、素数の並びと宇宙の創生
にどんな関係にあるのかの疑問を解いてみた。

その結果 原子核内の素粒子の波動と素数の並びを示す関数が完全に符合
する事実が確認されたが、なんとそれは遺伝子のDNA配列の関数が一致する
という奇妙な謎に直面したのだった。
  お気に召したらポッチとね! 2374683e.jpg    web拍手 by FC2

ももこの真理探求16 知的生命体の探査へ

そして全能理論を完全に解読した人類も、
全能の主から見ると弟子の一人でしかないと解釈するに至ったのである。
それを証明するには、人類とは別の知的生命とのコンタクトが不可欠だった。
この先は、時空を自在に往来できる ももこにも未知の領域となる。


そのきっかけが、いまだに完遂されていないリーマン予想の証明だった。
ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはずだ!


この単純な予想が全能理論と
UHBC(超高度人工知能)を駆使しても未だに証明できないのである。
なぜか 99.9999.......97%までは証明出来てもあとの80桁目が7で終わる。
UHBCは ゼータ関数の非自明なゼロ点が一直線上に100%乗らない事
に混乱し人間で言うところの統合失調(精神分離)状態に入りこむのだ。
何度修理して試しても、人工知能のあるニューロンだけがオーバロードで
破壊された。

不思議な事にリーマン予想の証明と浣腸行為とは、全く別次元のことだ思われる。
しかし ももこ たちが開設したサロン・ド・モナミのコロン洗浄を中心とした深層心理
治療と心理治癒プログラムが時間を経るほどに功を奏し、この時代では
統合失調症等の精神疾患の治療として最適であると認知されていた。


21世紀後半になると統合失調症などの精神疾患の治療にコロン洗浄(浣腸)が
効果を示す理由が精神分析学、臨床医学的に検証されていた。
そもそも正常な脳が精神疾患となるのは、ドーパミンなどの神経伝達物質の分泌
バランスが崩れて機能障害を起こす場合が多い。
その治療は長年に渡り抗精神薬が処方されていたが、疾患が完治する前
に脳シナプスを減少させ若年認知症発症を誘発するリスクも少なくなかった。

そこで注目されたのが、ももこ たちが開発した浣腸療法と深層心理治療だった。
これなら患者は最初は羞恥で嫌がる患者も多いがすぐに慣れ、やがてその療法
を積極的に受けるようになる。そうなると治療は成功したも同然だった。

ではなぜ浣腸療法と深層心理治療は精神疾患の治療に有効なのか?
それは 生後8ヵ月頃から目覚めてくる肛門期での性格形成に関連している。
フロイドは、倹約、頑固、几帳面がセットのように性格傾向に現れることに着目し、
 精神分析学では、ウンチはお金、と例えられていて、
 倹約はケチケチと出し惜しみをすること、頑固は(出すことを)かたくなに拒むこと、
 に相当するので、そういう性格の人は肛門期の排便に何かしらの問題があった。
 つまり、ケチケチした性格や、頑固な性格は、この頃に形成されるわけです。

 逆に、惜しみなくお金を使える人や、おおらかな順応性の持てる人の性格形成
 もこの時期なのです。

 では、几帳面は?と云いますと、これは、肛門後期で中心となる躾け(しつけ)
 の問題だろう、とされています。
 つまり、躾けをしなければ、赤ちゃんは「綺麗にしよう」とは思いませんから、
 やはり教えることによって、几帳面さが身に付くわけです。
 ただ、ほど良くあれば几帳面ですが、程度を過ぎればやはり潔癖症になって、
 のちのち窮屈なことになってしまいます。

精神疾患は、過剰な心的ストレスが引き金となり倹約、頑固、几帳面の3要素の
バランスが崩れた状態を、自らの経験で解決しようとする正常な脳活動の副産物
なのである。

そこで、患者を肛門期まで遡らせ適正な深層心理治療を施すことにより副作用
を伴なわない療法として2055年には確立されたのだった。
それはインド医学のアーユルベーダに含まれる浣腸療法による心身の健康法
を更に発展させたもので
さらに腸内細菌を整える腸内フローラ菌移植により心身の健康を増進させた。

その頃
人類にとって宇宙創生の謎と密接に関連すると推測される素数の並びの法則の
証明であるリーマン予想の証明も、量子物理大統一論の完成と同様に加熱した。
しかしそれら究極の疑問に取り組んで優秀な学者が次々に精神を疾うのが社会
問題になっていた。
幸いにこの精神疾陥になった患者には、浣腸療法と深層心理治療が有効だった。
しかし精神疾患が完治しても再度リーマン予想の証明に取り組む者はいなかった。

頼りは数学の天才の出現なのだが、我こそはと気楽に挑む数千人もの数学者を
狂わせる魔性の数式は、西暦2175年時点でも解が見出せていなかった。

そして人類も数式の迷宮に入りこみ それを証明するためには、別の知的生命との
コンタクトが不可欠であるという結論に至ったのである。
hubble-3d-rendering-movie-imax_17559_big.jpg
それは途方も無く危険な挑戦でもあった。
なぜなら高度知的生命とコンタクトしたが最後、人類は別の知的生命体に容易に
侵略される可能性が有る。
それでも人類の真理への探求心が衰えることはなかった。

西暦2275年になると人類は、冬眠と覚醒を自在に操り、更に万能細胞の各種応用
により、ほぼ不老不死を実現し時間を超越しつつあった。

そして真理の探求⇒高度知的生命とコンタクト⇒リーマン予想の証明⇒全能の主
の完全な理解の為に、地球から200光年先の地球型惑星まで有人探査衛星を
送って高度知的生命体と情報を交換しあう計画を実行していた。
  
そのころ地球の1.1倍ほどの水の惑星では、高度知的生命体が地球から飛来した
探査衛星を回収し、地球に向け交信用衛星を送っていた。

人類はその地球外知的生命体Extraterrestrial Intelligence(ETI)からの信号
を衛星に搭載した超時空通信装置により数年前に認識していた。

超時空通信装置とは
水素原子サイズの空間に、膨大なエネルギーを閉じ込め固定した
ミニブラックホールを内臓し超時空を通じて遠隔リアルタイム通信
を可能にする。

しかしタイムパラドックスの為に、受信した過去の事象は受信者の未来の現実と
して確定されてしまう。
つまり超時空通信を使わない場合、100光年を隔てた通信では、1回の送受信
で200年も要するが、超時空通信ではリアルタイムで通信できる。
しかし代償として その通信距離に応じた未来が固定されてしてしまう通信だった。

例えばETIが今我々の星が消滅したと超時空通信で伝えたとすると、その瞬間
に100光年の距離を隔てた地球の未来が確定するのだ。
その結果地球人は100年先の未来にその事象を確認することになる。
またETIが10年後、貴方の地球を支配すると言えば、地球人は110年先の未来
にETIに支配される事実が確定してしまう。

これは量子論と矛盾している様に見えるが、超時空通信を行った回数だけ平行宇宙
パラレルワールドが増えることで問題は容易に解決する。
無茶苦茶な理論に思えるが平行宇宙は無限に存在出来るので自然なことなのだ。

それでも、その惑星のETIとの交信を親しく交すには、少なくとも10光年の距離まで
探査衛星を接近させる必要がある。

ETIとの交信は、10光年まで探査衛星が接近した所から始まった。
1回目の交信により地球時間では10年の歳月が流れた。
通信担当クルーは冬眠と覚醒により数回の交信を行う計画であるが1回目交信
で友好的挨拶が成立し、2度目の交信によりETIの自己紹介を受信していた。
ETIは当時の人類よりも遥かに進んだ科学文明を構築しており、人類の探査衛星
の近くに自分たちの通信衛星をランデブーさせてきていた。
  お気に召したらポッチとね! 2374683e.jpg    web拍手 by FC2