ももこの真理探求16 知的生命体の探査へ

そして全能理論を完全に解読した人類も、
全能の主から見ると弟子の一人でしかないと解釈するに至ったのである。
それを証明するには、人類とは別の知的生命とのコンタクトが不可欠だった。
この先は、時空を自在に往来できる ももこにも未知の領域となる。


そのきっかけが、いまだに完遂されていないリーマン予想の証明だった。
ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはずだ!


この単純な予想が全能理論と
UHBC(超高度人工知能)を駆使しても未だに証明できないのである。
なぜか 99.9999.......97%までは証明出来てもあとの80桁目が7で終わる。
UHBCは ゼータ関数の非自明なゼロ点が一直線上に100%乗らない事
に混乱し人間で言うところの統合失調(精神分離)状態に入りこむのだ。
何度修理して試しても、人工知能のあるニューロンだけがオーバロードで
破壊された。

不思議な事にリーマン予想の証明と浣腸行為とは、全く別次元のことだ思われる。
しかし ももこ たちが開設したサロン・ド・モナミのコロン洗浄を中心とした深層心理
治療と心理治癒プログラムが時間を経るほどに功を奏し、この時代では
統合失調症等の精神疾患の治療として最適であると認知されていた。


21世紀後半になると統合失調症などの精神疾患の治療にコロン洗浄(浣腸)が
効果を示す理由が精神分析学、臨床医学的に検証されていた。
そもそも正常な脳が精神疾患となるのは、ドーパミンなどの神経伝達物質の分泌
バランスが崩れて機能障害を起こす場合が多い。
その治療は長年に渡り抗精神薬が処方されていたが、疾患が完治する前
に脳シナプスを減少させ若年認知症発症を誘発するリスクも少なくなかった。

そこで注目されたのが、ももこ たちが開発した浣腸療法と深層心理治療だった。
これなら患者は最初は羞恥で嫌がる患者も多いがすぐに慣れ、やがてその療法
を積極的に受けるようになる。そうなると治療は成功したも同然だった。

ではなぜ浣腸療法と深層心理治療は精神疾患の治療に有効なのか?
それは 生後8ヵ月頃から目覚めてくる肛門期での性格形成に関連している。
フロイドは、倹約、頑固、几帳面がセットのように性格傾向に現れることに着目し、
 精神分析学では、ウンチはお金、と例えられていて、
 倹約はケチケチと出し惜しみをすること、頑固は(出すことを)かたくなに拒むこと、
 に相当するので、そういう性格の人は肛門期の排便に何かしらの問題があった。
 つまり、ケチケチした性格や、頑固な性格は、この頃に形成されるわけです。

 逆に、惜しみなくお金を使える人や、おおらかな順応性の持てる人の性格形成
 もこの時期なのです。

 では、几帳面は?と云いますと、これは、肛門後期で中心となる躾け(しつけ)
 の問題だろう、とされています。
 つまり、躾けをしなければ、赤ちゃんは「綺麗にしよう」とは思いませんから、
 やはり教えることによって、几帳面さが身に付くわけです。
 ただ、ほど良くあれば几帳面ですが、程度を過ぎればやはり潔癖症になって、
 のちのち窮屈なことになってしまいます。

精神疾患は、過剰な心的ストレスが引き金となり倹約、頑固、几帳面の3要素の
バランスが崩れた状態を、自らの経験で解決しようとする正常な脳活動の副産物
なのである。

そこで、患者を肛門期まで遡らせ適正な深層心理治療を施すことにより副作用
を伴なわない療法として2055年には確立されたのだった。
それはインド医学のアーユルベーダに含まれる浣腸療法による心身の健康法
を更に発展させたもので
さらに腸内細菌を整える腸内フローラ菌移植により心身の健康を増進させた。

その頃
人類にとって宇宙創生の謎と密接に関連すると推測される素数の並びの法則の
証明であるリーマン予想の証明も、量子物理大統一論の完成と同様に加熱した。
しかしそれら究極の疑問に取り組んで優秀な学者が次々に精神を疾うのが社会
問題になっていた。
幸いにこの精神疾陥になった患者には、浣腸療法と深層心理治療が有効だった。
しかし精神疾患が完治しても再度リーマン予想の証明に取り組む者はいなかった。

頼りは数学の天才の出現なのだが、我こそはと気楽に挑む数千人もの数学者を
狂わせる魔性の数式は、西暦2175年時点でも解が見出せていなかった。

そして人類も数式の迷宮に入りこみ それを証明するためには、別の知的生命との
コンタクトが不可欠であるという結論に至ったのである。
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それは途方も無く危険な挑戦でもあった。
なぜなら高度知的生命とコンタクトしたが最後、人類は別の知的生命体に容易に
侵略される可能性が有る。
それでも人類の真理への探求心が衰えることはなかった。

西暦2275年になると人類は、冬眠と覚醒を自在に操り、更に万能細胞の各種応用
により、ほぼ不老不死を実現し時間を超越しつつあった。

そして真理の探求⇒高度知的生命とコンタクト⇒リーマン予想の証明⇒全能の主
の完全な理解の為に、地球から200光年先の地球型惑星まで有人探査衛星を
送って高度知的生命体と情報を交換しあう計画を実行していた。
  
そのころ地球の1.1倍ほどの水の惑星では、高度知的生命体が地球から飛来した
探査衛星を回収し、地球に向け交信用衛星を送っていた。

人類はその地球外知的生命体Extraterrestrial Intelligence(ETI)からの信号
を衛星に搭載した超時空通信装置により数年前に認識していた。

超時空通信装置とは
水素原子サイズの空間に、膨大なエネルギーを閉じ込め固定した
ミニブラックホールを内臓し超時空を通じて遠隔リアルタイム通信
を可能にする。

しかしタイムパラドックスの為に、受信した過去の事象は受信者の未来の現実と
して確定されてしまう。
つまり超時空通信を使わない場合、100光年を隔てた通信では、1回の送受信
で200年も要するが、超時空通信ではリアルタイムで通信できる。
しかし代償として その通信距離に応じた未来が固定されてしてしまう通信だった。

例えばETIが今我々の星が消滅したと超時空通信で伝えたとすると、その瞬間
に100光年の距離を隔てた地球の未来が確定するのだ。
その結果地球人は100年先の未来にその事象を確認することになる。
またETIが10年後、貴方の地球を支配すると言えば、地球人は110年先の未来
にETIに支配される事実が確定してしまう。

これは量子論と矛盾している様に見えるが、超時空通信を行った回数だけ平行宇宙
パラレルワールドが増えることで問題は容易に解決する。
無茶苦茶な理論に思えるが平行宇宙は無限に存在出来るので自然なことなのだ。

それでも、その惑星のETIとの交信を親しく交すには、少なくとも10光年の距離まで
探査衛星を接近させる必要がある。

ETIとの交信は、10光年まで探査衛星が接近した所から始まった。
1回目の交信により地球時間では10年の歳月が流れた。
通信担当クルーは冬眠と覚醒により数回の交信を行う計画であるが1回目交信
で友好的挨拶が成立し、2度目の交信によりETIの自己紹介を受信していた。
ETIは当時の人類よりも遥かに進んだ科学文明を構築しており、人類の探査衛星
の近くに自分たちの通信衛星をランデブーさせてきていた。
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