様々な 愛の形の ゆず心 

「金曜 19時ですね 必ず伺います」
「ありがとう 待ってるね」
柚木は、久しぶりに拓哉と会える喜びでワクワクする気持ちを抑え最後まで低
いトーンで電話を終えた。
それは柚木の計略第二弾の始まりであり、 拓哉に対する愛の表現とも言えた。

拓哉は、自分の方が悟よりも一歩リードした事とは露も知らず、悟と柚木の間で
何かトラブルでも有ったのだろうと受け止めていた。


その週の金曜日 18時50分
ピンポーン
「来てくれたのね ありがとう タクヤくん」
柚木は、インターフォンのモニター画面に映る拓哉を見て思わず、弾んだ声で答
えて開錠してしまった。
「あー いけない! 最初は悩める乙女を演じなければ・・・・」



ピンポーン
解放したドアの外に立つ、拓哉はご愁傷様という神妙な表情だった。

「タクヤくん  いらっしゃい 実はね・・・・・・」

柚木は、拓哉に悲しそうに寄り添った。

「柚木先輩 僕・・・・・」


「詳しい話はリビングでね・・・・・」

「はい 大丈夫ですか? 柚木先輩」




「タクヤくん お待ちしてました さーお好きなものからどうぞー」


柚木は、リビングのテーブルに用意した手料理を次々に並べた。
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「おおーーー すっごーい これ全部 柚木先輩の手料理ですか?」

「そーよ この数ヵ月は 外出自粛気味だったので タクヤくんを
 もてなす料理を勉強したのよ
 まずは松坂牛サイコロ 大間産まぐろの大トロ 北海道産ウニとイクラ
  地中海産キャビア フランス産フォアグラ トスカーナ産白トリュフ
   ワインはフランスブルゴーニュ産20年もので御座います
    さーどうぞ召し上がれ~」
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柚木は、それらの料理を高級レストランの支配人風に丁寧に紹介した。

「ほ本当ですか? 柚木先輩 感激です」

子供の様に無邪気に感動する拓哉に好感を見せるも
「噓! これ ぜーんぶ あたしの暇潰しなのよ」
とはぐらかした。

「僕を招待したのも暇潰しなんですか?」

拓哉は、またも子供の様にふくれっ面をしたが、すぐに柚木の照れ隠しだと気付い
て、いつもの屈託のない明るい笑顔に戻った。

その通り、世界中の豪華珍味料理まで用意して暇潰しだけで、拓哉をもてなすはず
がない、柚木は満を持して拓哉を招待したのだった。

「タクヤくん あたしにワインついでくれる」


「ありがとう 乾杯」

「柚木先輩の手料理をこうして戴けるだけで 僕は幸せです」

「あとで したからも食べさせてあげるわね うふふ」

「したからも? えっ はっはい」
拓哉は、柚木が悩み事が有って呼んだのではないことを、いま気付いた。
それだけではなく、また浣腸をしたり、されたりとの意向もあるようなのだ。


食事とお酒も進み
「------ アハハ!そうだったのー それもそうよねー」

「柚木先輩 ご馳走さまでした こんなご馳走を食べたの初めてです」

「どういたしまして 初めての体験は まだあるわよきっと!うふっ」
柚木は、拓哉を凝視しほろ酔いの眼差しで意味深に微笑んだ。
「それから 柚木先輩じゃ堅苦しいので これからは ゆずと呼んで
 あたしもタクヤくんじゃなく たくと呼ぶね」


「はい柚木先輩 いや ゆず  うーゾクゾクするー」

「ゾクゾクするのはこれからよ タクヤくん いや たく うふふ」
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