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寂しさに ふと迷い込む うわ心
「タクヤくん あたしのこと嫌いになったのかしら
ううん絶対そんなことないわ だってあんなに燃えあえた仲じゃない!」
柚木の心の中に{自分を信じなさい、いやもう嫌われたから会えないのよ}
というこれまでよりも、何倍も強くて切ない葛藤が生じた瞬間だった。
それから数日間、待てど暮らせど拓哉からの連絡は無かった。
職場に復帰した柚木は、拓哉への想いで悶々とした心を忘れたくて仕事に
集中したかった。
そんな矢先に社長直下で、人事の広報活動の一環として会社案内や企業
説明会の資料を刷新するプロジェクトへの参加を命じられた。
それは人事、国内営業、国際営業、輸入管理からの選抜4人+社長の5人
で構成される、柚木にとって願ってもないワクワクする業務だった。
しかし年末にかけて新型ウイルスの第3波が日ごとに高まり、世論も政府の
対応の遅さを批判するニュースが連日飛び交っている。
政府は、その圧力に流される形で、重い腰を上げ緊急事態宣言を発した。
それでも今回は、会社方針はオフピーク通勤の対応で乗り切るとした。
選抜メンバーでのプロジェクト業務は楽しく、4人で連日激論に近い討論を
重ねていると、社長がメンバーのなだめ役として時々参加してきた。
資料刷新の骨子が纏まるにつれ、ホームページや配布資料等のデザイン
が重要になる。
そこで社長の提案により、柚木にその全体デザインが一任された。
柚木は、以前に人事部の広報誌のデザインを任されたとき、発想が奇抜
と好評を得た実績がある。
そんなある日、選抜メンバーの梶山 悟から思いもよらぬ告白をされる。
彼は、柚木に厳しい意見を投げかけている国際営業部の中堅社員だった。
柚木も厳しい意見とはいえ、最初に相手をリスペクトするその姿勢と話術
に好感を持ち始めていた。
「篠崎( 柚木)さん 実は僕 篠崎さんが入社した時からのファンで
ずーと好意をもって遠目に見ていました」
「はあぁー」
「それで今回のプロジェクト業務で増々 柚木ちゃんが好き
になり どうしても正式にお付き合いできないものかと・・・・・
いえ 他にお付き合いされている方がおられるのなら諦めますので」
「いえ とても嬉しいです」
{馬鹿ねー 柚木 タクヤくんのこと もう忘れたの!
いや 忘れる訳ないじゃない!}
思わず答えた自分の中で、二人の柚木が掛け合っていた。
そんな柚木の困惑顔を覗き込む梶山 悟は
「やっぱ だめですか? そう そうですよね・・・こんな唐突に」
「いえ ちょっと・・・・・ 明日まで考えてさせてください」
柚木は、拓哉への想いの挟間で激しく迷っていた。
ここで断ると 悟の性格からして、さっぱりと諦めるに違いない。
{そうね 軽いお付き合い程度ならいいのでは・・・・ねっ柚木!}
「明日いい返事を 待ってます じゃ! お疲れ様ー柚木ちゃん」
梶山 悟の明るい応対が、今の柚木にとって何よりも嬉しかった。
それは、柚木に浮気心が芽生える最初の出来事だった。
ううん絶対そんなことないわ だってあんなに燃えあえた仲じゃない!」
柚木の心の中に{自分を信じなさい、いやもう嫌われたから会えないのよ}
というこれまでよりも、何倍も強くて切ない葛藤が生じた瞬間だった。
それから数日間、待てど暮らせど拓哉からの連絡は無かった。
職場に復帰した柚木は、拓哉への想いで悶々とした心を忘れたくて仕事に
集中したかった。
そんな矢先に社長直下で、人事の広報活動の一環として会社案内や企業
説明会の資料を刷新するプロジェクトへの参加を命じられた。
それは人事、国内営業、国際営業、輸入管理からの選抜4人+社長の5人
で構成される、柚木にとって願ってもないワクワクする業務だった。
しかし年末にかけて新型ウイルスの第3波が日ごとに高まり、世論も政府の
対応の遅さを批判するニュースが連日飛び交っている。
政府は、その圧力に流される形で、重い腰を上げ緊急事態宣言を発した。
それでも今回は、会社方針はオフピーク通勤の対応で乗り切るとした。
選抜メンバーでのプロジェクト業務は楽しく、4人で連日激論に近い討論を
重ねていると、社長がメンバーのなだめ役として時々参加してきた。
資料刷新の骨子が纏まるにつれ、ホームページや配布資料等のデザイン
が重要になる。
そこで社長の提案により、柚木にその全体デザインが一任された。
柚木は、以前に人事部の広報誌のデザインを任されたとき、発想が奇抜
と好評を得た実績がある。
そんなある日、選抜メンバーの梶山 悟から思いもよらぬ告白をされる。
彼は、柚木に厳しい意見を投げかけている国際営業部の中堅社員だった。
柚木も厳しい意見とはいえ、最初に相手をリスペクトするその姿勢と話術
に好感を持ち始めていた。
「篠崎( 柚木)さん 実は僕 篠崎さんが入社した時からのファンで
ずーと好意をもって遠目に見ていました」
「はあぁー」
「それで今回のプロジェクト業務で増々 柚木ちゃんが好き
になり どうしても正式にお付き合いできないものかと・・・・・
いえ 他にお付き合いされている方がおられるのなら諦めますので」
「いえ とても嬉しいです」
{馬鹿ねー 柚木 タクヤくんのこと もう忘れたの!
いや 忘れる訳ないじゃない!}
思わず答えた自分の中で、二人の柚木が掛け合っていた。
そんな柚木の困惑顔を覗き込む梶山 悟は
「やっぱ だめですか? そう そうですよね・・・こんな唐突に」
「いえ ちょっと・・・・・ 明日まで考えてさせてください」
柚木は、拓哉への想いの挟間で激しく迷っていた。
ここで断ると 悟の性格からして、さっぱりと諦めるに違いない。
{そうね 軽いお付き合い程度ならいいのでは・・・・ねっ柚木!}
「明日いい返事を 待ってます じゃ! お疲れ様ー柚木ちゃん」
梶山 悟の明るい応対が、今の柚木にとって何よりも嬉しかった。
それは、柚木に浮気心が芽生える最初の出来事だった。
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